組織概要

「七転び八起き」

福島県学校保健会養護教諭部会長 塩田 咲江

 

 このたびの評議員会において養護教諭部会長に選任されました塩田咲江と申します。私にとって、養護教諭部会でとても印象に残っているのは、東日本大震災以降はじめて県内の養護教諭が一堂に会することができた、須賀川での第36回の研究大会です。研究大会では自ら被災されながらも、子どもたちを守るために常に寄り添い向き合い続けていた先生方の発表や会員のみなさんとお会いできたこと、コーディネーターとして参加させていただき、先生方のひと言ひと言に感銘を受けたことを今でも覚えています。

その東日本大震災から11年となります。令和2年1月15日に日本で最初の新型コロナウイルス感染症の感染者が確認されてから2年が過ぎました。未だ終息せず、学校においても感染拡大防止のために様々な活動や行動の制限、行事等の延期や中止等を余儀なくされるなど、震災から復興再生に向けて前に進んでいる中で、多くの課題を抱えながら、先が見通せない日々が続いています。

「七転び八起き、人間は生まれてきた時は寝ていますが、周囲の人々に支えていただいて起きることができました。その支えていただいた感謝を忘れないで、その1回を足して七転び八起きといわれています。」これは、京都の建仁寺のお坊さんの説法です。人生の中では、つまずいて転んだり、試練にぶつかったりすることがあるでしょう。心が折れそうになることもあると思います。「転」は転機の「転」ともいわれています。転んだ地面から何かをつかんで立ち上がればまた踏ん張ることができると思います。

当たり前にできていたことが、当たり前でなくなっている今、できないことを諦めるのではなく、どうすれば実現できるのか、目の前の子どもたちに必要なことは何かを考え、取り組んでいかなければなりません。そして、困難な課題を一人の力で実現することは難しいと考えます。学校においては「チーム学校」の一員として、そして私たち養護教諭は「チーム福島県の養護教諭」として共に手を携え、支え合いながら進んでいきましょう。

日々の執務の中で、対応や判断に苦慮することもあると思いますが、福島県養護教諭部会の後継者支援ボランティアの先生方に相談したり、仲間の養護教諭同士で知恵を出しあい工夫したりしながら乗り越えていければと考えます。

なにより養護教諭自身が疲弊しないよう、会員の皆様ご自身の心と体も大切にされ、笑顔で子どもたちと向き合っていきましょう。


「お世話になりました」

前福島県学校保健会養護教諭部会長 宮川 玲子

 

 令和4年度の評議員会において、塩田咲江新会長が選任され、無事に会長職のバトンをお渡しいたしました。副会長職を引き受けてからの5年間は、たくさんの経験をさせていただき、学びの多いとても有意義な時間を過ごすことができました。また、コロナ禍にあって、例年とは違う部会運営となったにもかかわらず、評議員・常任委員の先生方からの心温まる励ましの言葉と、会員の皆様のご理解とご協力をいただきましたことに心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 さて、毎年2月に職務検討委員会で実施している「職務に関する調査」では、本県の養護教諭の世代交代に、ますます拍車がかかっていることが分かります。また、少子化や学校の統廃合によって養護教諭の人数も減少し、支部・ブロックの会運営も難しくなっているという声も届いております。しかし、福島県には「後継者支援ボランティア」という心強い味方があること思い出し、ぜひ活用していただきたいと思います。この事業は、執務の疑問や悩みについて相談できる事業ですが、堅苦しく考えずに、気軽に、どんなことでも躊躇しないで後継者支援ボランティアの先生方にお話しして良いと思うのです。その昔、まだこのような取組がなかった時の私事の(恥ずかしい)話ですが、少しお付き合いください。2人目を出産し勤務校に戻った時のことです。保健室経営の立て直し・生徒の心の問題の多発・我が子の通院といった仕事と家庭の諸問題が重なり、出来ない自分を責め養護教諭としての自信を失っていました。そんな時、ご退職なされた先生に偶然お会いし、思わず苦しい胸の内を涙ながら話した私に「本当に、頑張っていますね。お子さんは大丈夫ですか。」と。その一言で、私の気持ちはすっと楽になり、なんとか乗り切ることができました。この経験は、本来の後継者支援ボランティア事業の趣旨とは違うかもしれません。しかし、後継者支援ボランティアの先生方は、同じように相談者に寄り添って、そっと背中を押してくださるでしょう。次世代の福島県の子どもたちの健康を、笑顔を守るために中心となっている養護教諭をサポートするための事業ですから、もっと気軽に利用してほしいと願っています。

 この夏、第41回福島県養護教諭研究大会が開催されます。本部会のホームページを活用したWeb大会です。コロナ禍の中、本部役員の先生方のアイディアが集まった新しい形で開かれるこの大会を、とても楽しみにしています。特に、YouTubeライブで繋がる講演会は、講演者を身近に感じながら学べるとワクワクしています。

 最後に、会員の皆様のご活躍と、県学校保健会養護教諭部会のますますの発展を心よりお祈り申し上げます。会員の皆様、本部役員の先生方、お世話になりました。

 


組織図

*本部役員は、規約第7条により会長が委嘱する。

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養護教諭部会組織図
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